結論から言うと、医療費控除は年末調整で会社が処理できる控除に含まれていないため、会社員であっても医療費控除の適用を受けるには、自分で確定申告(還付申告)をする必要があります。この記事では、年末調整で完結する控除と、確定申告が必要な控除の違いを解説します。
大部分の会社員は年末調整で申告が完結する
給与所得者の多くは、勤務先が行う年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了するため、原則として確定申告の必要はありません。年末調整では、生命保険料控除や配偶者控除、扶養控除といった、勤務先に申告書を提出することで適用できる控除が処理されます。
出典: 国税庁タックスアンサー No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人医療費控除は年末調整の対象になっていない
一方、医療費控除は、年末調整で処理される控除には含まれていません。一般的には、医療費控除のほか、雑損控除や寄附金控除(ふるさと納税を含む)といった控除は、勤務先の年末調整では反映されず、適用を受けるには確定申告が必要とされています。国税庁のタックスアンサーでも、給与所得者の所得金額を判定する際に、医療費控除・雑損控除・寄附金控除・基礎控除を除いて計算する扱いが示されており、これらの控除が年末調整とは別に取り扱われていることがわかります。
出典: 国税庁タックスアンサー No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人会社員の医療費控除の申告は「還付申告」に当たる
会社員が医療費控除の適用を受けるためだけに行う確定申告は、納め過ぎた所得税の還付を受けるための「還付申告」に当たります。還付申告は、通常の確定申告期間(原則2月16日〜3月15日)にかかわらず、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。
出典: 国税庁タックスアンサー No.2030 還付申告セルフメディケーション税制も同様
セルフメディケーション税制についても、医療費控除の特例という位置づけであり、年末調整では処理されません。適用を受けるには、医療費控除と同様に確定申告が必要です。なお、医療費控除とセルフメディケーション税制は選択制であり、同じ年に両方の適用を受けることはできません。
確定申告の前に還付見込み額を確認したい方は、医療費控除・セルフメディケーション税制 還付金シミュレーターをご利用ください。