結論から言うと、医療費控除とセルフメディケーション税制は選択制の制度で、同じ年に両方の適用を受けることはできません。どちらが有利かは年によって変わるため、「毎年どちらか一方を選ぶ」という前提で、その年の医療費の内訳に応じて判断する必要があります。この記事では、判断の軸となる考え方を紹介します。
前提: 2つの制度は選択制
医療費控除とセルフメディケーション税制は選択適用の関係にあり、同じ年に両方の適用を受けることはできません。一度どちらか一方を選んで確定申告をした後に、修正申告や更正の請求によって後からもう一方に変更することもできません。
出典: 国税庁タックスアンサー No.1131 セルフメディケーション税制と通常の医療費控除との選択適用判断軸1: その年の医療費全体の大きさ
一般的には、入院・手術・歯科治療など医療費全体が大きくかかった年は、医療費控除の方が有利になりやすいとされています。医療費控除は支払った医療費の合計額から足切り額(10万円、総所得金額等が200万円未満なら5%)を差し引いた金額が対象になるため、医療費の総額が大きいほど控除額も大きくなりやすい構造だからです。
判断軸2: OTC医薬品の購入額と「一定の取組」の有無
一般的には、大きな病気やけがはないもののドラッグストア等で対象のOTC医薬品をよく購入する年は、セルフメディケーション税制の方が有利になりやすいとされています。ただし、セルフメディケーション税制を利用するには、その年に健康診査や予防接種など「一定の取組」を行っていることが要件になるため、まずこの要件を満たしているかを確認する必要があります。
判断軸3: 実際に両方を計算して比較する
医療費の内訳や所得の状況によって有利不利は変わるため、目安だけで決めるのではなく、実際に医療費控除・セルフメディケーション税制それぞれの控除額と還付見込み額を計算し、金額を比較して選ぶのが最も確実な方法です。2つの控除額を合算するのではなく、並べて比較して有利な方だけを選ぶという考え方が重要です。
両制度の還付見込み額を横並びで比較したい方は、医療費控除・セルフメディケーション税制 還付金シミュレーターで試算してみてください。