結論から言うと、別居していても生計を一にしていると認められる親の医療費は、子どもが支払った場合に医療費控除の対象に含められます。この記事では、架空の事例をもとに控除額と還付見込み額の計算過程を紹介します。以下はあくまで一例であり、実在の人物のケースではありません。
事例設定(架空の例)
会社員(年収650万円)が、仕送りをしている別居中の高齢の親の医療費と、自分自身の医療費を合わせて支払ったケースを想定します。
計算過程
一般的には、別居していても仕送り等により生活費を継続的に負担している場合は「生計を一にする」と認められるとされています。総所得金額等が200万円以上のため、足切り額は10万円です。
医療費控除額 = 38万円 - 8万円(高額療養費) - 10万円(足切り額) = 20万円
所得税の還付見込み額(概算) = 控除額20万円 × 税率(復興特別所得税込み) ≒ 4万840円
このほか、翌年度の住民税が約2万円軽減される見込みです。
結果まとめ
「生計を一にする」かどうかの判断は仕送りの実態等によるため、判断に迷う場合は税務署に確認することをおすすめします。高額療養費など、親が受け取った給付金がある場合は、その分を差し引いてから計算する点も忘れないようにしてください。介護保険サービスの自己負担額のうち、医療系サービス(訪問看護等)にあたる部分は医療費控除の対象になり得るとされていますが、介護系サービスのみの部分は対象外になり得るため、事業者から発行される領収書の内訳を確認しておくとよいでしょう。親の医療費を合算して申告する場合も、確定申告書には医療費控除の明細書を添付し、誰の医療費かが分かるようにしておくことが必要です。
ご自身と親の医療費を合計して試算したい方は、医療費控除・セルフメディケーション税制 還付金シミュレーターをご利用ください。